『バーガー喫茶 チルトコ』

 ハンパないハンバーガーをチルしながら味わう。

 『チルトコ』は、オーナーの青木健吾さんが、約半年の準備期間を経て6月にプレオープンしたバーガー喫茶です。『チルトコ』の「チル」は、英語のchillで、「リラックスする」「くつろぐ」などの意味があり、それに「トコ(所)」を掛け合わせて「誰もがゆったりできる場所」というお店のコンセプトも表現しています。

 青木さんは、大学卒業後に世界中を旅し、昨年はオーストラリアの日本食のお店で働いていた経験もあります。そのお店のオーナーが日本に一時帰国した際、蔵前がすごく魅力的な街だということを教わったことがきっかけで、蔵前で物件を探すようになったとのことです。

 そんなさまざまな国での暮らしの中で感じたのは、ハンバーガーは世界のどこにでもある普遍的で、みんな大好きな食べ物であること。その中でも「日本のハンバーガーが一番おいしい」と感じたことが、バーガー喫茶出店のきっかけになったそうです。

 オリジナルメニューを開発するに当たっては、いろんなバーガーショップを食べ歩いたのはもちろん、和食店や焼き鳥屋、餃子専門店、居酒屋などで働いた経験からいろいろなヒントを得て、独学で「どこのマネでもない、独自のハンバーガー」を目指して、現在のラインナップを考えたのだとか。

 実際にメニューを見てみると、「角煮バーガー」「わさびアボカドバーガー」「味噌エッグバーガー」「照り焼きエッグバーガー」など、和のテイストを加味したオリジナリティあふれるバーガーが並びます。その中から「わさびアボカドバーガー」を選んで食べてみました。見た目にもボリューム満点。バンズの上にシャキシャキのレタス、その上にビーフ100%の分厚いパテ、さらにはアボカドのスライスに海苔、わさびが乗って、大いに食欲をそそります。
 実食してみて感じたのは、充分に満腹感を味わえるのに、思ったよりもあっさりしていて、後味がすっきりしていることです。まさに日本人好みの味と言えるかもしれません。青木さんは、地域に根ざしたバーガー喫茶を目指しながらも、ビーガン(完全菜食主義者)やグルテンフリー(小麦を原料とする食品の摂取を制限する食事法)、さらには宗教上の理由で牛肉を食べられない人のために、牛肉を使わないハンバーガーなど、インバウンドも意識しながら、新たなメニューの開発にも意欲的に取り組んでいきたいと抱負を述べています。

 現在は、新型コロナウイルスの影響もあり、テイクアウト8、店内2くらいの割合だそうですが、早くも常連さんと言えるようなファンも付き、お子さんからお年寄りまで幅広い層に人気を獲得しつつあるようです。和のテイストを採り入れた「バーガー喫茶」という斬新な飲食店のスタイルで、新たな食の地平を切り拓いて行くことを期待したいですね。

 

バーガー喫茶 チルトコ

 住所: 〒111-0051 東京都台東区蔵前4-33-1 HERMITAGE ASAKUSA 1F
    [アクセス]都営大江戸線「蔵前駅」より徒歩約3分
 電話: 050-5849-8813
 営業時間:11:30~17:00(金・土のみ11:30~21:00) 不定休
 ※営業時間や定休日は変更になる可能性がありますので、お店にお問い合わせください
 instagram:@CHILLTOCO_BURGER

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