Circle Hat Shop インタビュー

代表取締役 吉田 一茂さん(右)とプランナー 牛田 美希さん (左)

今回は帽子専門店『Circle(サークル)』さんにご登場いただきます。
CircleオリジナルHATのブランドコンセプトは「被っただけで、格好いい」
帽子の似合う素敵なお二人に、帽子へのこだわりやイチオシの帽子など、お話をうかがいました。


 Circle』という店名の由来を教えてください。

吉田さん:Circleは『円(えん)』ですよね。30年近く帽子業界にいる中で、職人さんや、工場・企業の方など、色々な方と出会い、縁の中で繋がって、協力していただけたことで会社を始めることができました。帽子の形も全部円ですよね。つば縁(つばえん)と言ったり、「えん」という言葉は良く使うので、そういったことも含めて会社の名前をつけました。

なぜ蔵前を選ばれたのですか?

吉田さん:帽子の本場というか、東京で帽子といえば浅草橋や鳥越が製造のメインの場所になります。昔からの工場さんとか、キャップのつばの中に入ってる芯だけを作っているところもありますし、木馬さんに行けばリボンがありますし、材料が手に入りやすくて色々な意味で便利なんです。職人さんもいたり、こういうところは他にあまりないですね。もともと、タイガービルのオーナーさんも、帽子の付属をつくっている方だと聞いたことがあります。

牛田さん:付属は飾りのことですね。リボンの巻きやチャームなど、業界では付属といいます。

100年ほど続いた帽子屋さんから貰ってきた貴重な型入れ機。現役です。昔はこの型に合わせて帽子を作っていたそう。熱伝導が良い銅製で、ガスで火を付け温めて使います。

デザインもされてますよね。

吉田さん:そうですね、デザインもしてますし、OEMとかもやります。お客様のご要望をきいて、職人さんに伝えて、じゃあ付属はどうしようか みたいな感じになるので、どこに行くのにも近いですし、この辺りにあるとやりやすいですね。

最近、蔵前にお店も増えてきていますが、その流れは気にされましたか?

吉田さん:それも少しはありますね(笑)

牛田さん:この辺りは、帽子以外にも革なども盛んで、革の問屋さんだったり、職人さんが多い街で有名なので「ものづくりの街」という印象もありました。事務所兼お店を開くときに、どこにしようかと二人で話したときに、蔵前が候補地にでてきました。

お店の向かい側が印刷屋(弊社)ですが、そこは気になりませんでしたか?

牛田さん:私はデザイン会社にいたこともあるので、印刷会社さんは馴染みがあって懐かしさもあります。

もともとグラフィックデザインをされていたのですか?

牛田さん:私は美大を卒業したあと、美術作家として活動しています。美術の講師をしたり、アパレルやデザイン会社にも居りました。そこからのご縁で帽子の会社に入社したところに吉田が上司としておりまして、それで、独立するときに声を掛けてもらいました。

優しい上司だったんですね。

牛田さん:そうですね(笑) やはり優しさはあります。業界長いだけあって、もちろん厳しい部分もありますが、未経験で入ってきた私に丁寧に教えてくださって、尊敬する上司でしたね。

お客様はどのような方が多いですか? オンラインショップで購入される方が多いですか?

牛田さん:ご近所の方、蔵前に散策に来られた方や、海外の方。あと、テレビや新聞などメディアを見た方は全国から来てくださったりもします。「朝テレビで観て、いま名古屋から来ました」という方もいましたね。常連さんもいらっしゃいますし、赤ちゃんを抱いたお母さんから、95歳のご年配の方まで幅広いですね。インスタグラムやSNSをみて注文してくださる方もいますが、やはり帽子って被ってみないと分からない部分が大きいので、来てくださる方のほうが多いですね。

吉田さん:ちょっとした色の違いで、顔色が明るく見えたり、イメージがガラッと変わったりしますからね。帽子だけ見るとそうでもないけど、実際被ると派手に見えてしまったり、難しいですよね。メガネと帽子はつけてみた方が良いのかなと思います。

顔の形や肌色によって似合う帽子は違いますよね? 似合っているのか自分で分からなくて。。。

吉田さん:被り慣れてない方は、みなさんそう言われますね。そこがまず第一の壁というか、つばのある帽子でも意外と被っちゃえば大丈夫ですけどね。だいたいこんな感じとか、対比なので大きめの帽子を被ると小顔に見えるとかはありますけど、どう見せたいかは別ですよね。被ることでどう見せたいかというのが重要だと思います。

牛田さん:被って鏡の前に立った時に、見慣れない自分に「これでいいのかな? 大丈夫かな?」ってなると思いますが、美容室に行ったときと同じだと思います。例えば髪をロングからショートに切ったときに、目の前の自分に違和感を感じることありますよね。それと同じで、帽子も見慣れてくれば、しっくりくると思いますよ。

お店や帽子へのこだわりを教えてください。

かわいいバンダナもオススメです。

吉田さん:長いですよ(笑)

牛田さん:私、ちゃんとまとめましたよ。

吉田さん:何言うつもりなの?

(しばしお二人で意見交換)

吉田さん:基本はさらっと被ってもらいたい。あまり構えないで被ってほしい。というのがあります。口で説明するのは難しいのですが、微妙な形とか材料とか作るものには非常にこだわりはあります。本当にいい材料を使うとパっと見ただけで、「あぁキレイだな」となるし、いい材料は形がもちます。良くない材料は崩れてしまう。材料に合う形に加工をしたり、気を使ってやっています。せっかくこの素材を使うのなら、その形は勿体ないですよとかあるんです。そのようなこともOEMのお客様に提案させていただいてますし、そのへんはこだわりですね。

私に合う帽子を作ってくださいとか、一点ものはお願いできますか?

吉田さん:ものによります。サイズ調整とか微妙なものですし、フルオーダーだと職人さんに頼むので値段的にもかなり厳しくなります。もともとある形で、この帽子のここを少し変えてみるとかは、できるものもあります。

これを手編みで?と驚いてしまうほど、細かく編まれた天然素材の帽子。 機械ではできず、編める職人さんも減ってきているそう。。。

牛田さん:今までオーダーは受け付けていなかったんですが、ご要望がとても多いので、リボンだけ色を選べるとか、カスタムオーダーを検討しているところです。今、吉田を説得中なんです(笑)

吉田さん:どこまでがお客様が喜ばれるのかな?って。ワークショップみたいなものができるといいんですが、リボンを付けるのも結構大変なんですよ。

牛田さん:難しいですね。帽子はパッと見た感じよりも手が込んでいるし、ちょっとしたところもこだわって作られているので、結構奥が深いです。

帽子屋さんアルアルなどありますか? たとえば、プライベートでは帽子を被らない とか想像していたんですが。

吉田さん:あ~、業界の人間はほとんど被らないですね。ゴルフのときくらいしか見たことない。100人単位で考えると、被っている人は2、3%くらいかな。僕はほとんど被っているので、逆に帽子被らないで歩いていると、知り合いとすれ違っても気付かれない(笑)

牛田さん:私もヘアスタイルとかお洋服に合わせて毎日被っています。

すれ違う人が帽子を被っていたら見ちゃいますか?

お二人:見ちゃいます、見ちゃいます。

吉田さん:朝よくすれ違う方でいるんですけど、「良いの被ってるなぁー」って、見ちゃいますね。

お二人はご趣味などありますか?

吉田さん:最近はやってませんが、スポーツだとゴルフ。あとは物を作るのが好きですね。機械をいじるのも好きだし、休みの日は自転車で来たりするんですが、タイヤ交換したり。昔からバイクとかも好きですね。前はKAWASAKIのZ1RとかNINJAとかデカイのに乗っていて、それからハーレーにも乗ったんですが、遅くてつまらなくなって、今は自転車になりました。九州出身なので、バイクで九州一周などもしましたよ。

牛田さん:私は作家活動を続けている友人が多いので、美術館や画廊に友人の作品を観に行ったり、あとは旅行ですね。私もゴルフの靴とグローブは持っていますが、練習場まででコースには出たことがないまま時が過ぎました。

学生時代に部活動はやっていましたか?

吉田さん:中学のときはバレーボール部でした。バネ系が発達していてジャンプ力があるみたいです。ゴルフも飛ぶのでドラコンを取りますよ。力よりバネ系です。

牛田さん:私はインドアなので正反対ですね。中学は美術部。高校も美術部でしたが、放課後は美大の予備校に通っていたので所属だけでした。運動は水泳くらい。小学校のときに習っていたので今でも泳ぐのは好きですね。

蔵前で好きな場所やお店を教えてください。

吉田さん元楽さんですね。週1くらい行ってますし、ラーメンばっかり食べてます。浅草橋や秋葉原まで食べにいくこともありますよ。蔵前に限らず好きなのは、浅草橋の西口にある天竜さん。もう27、8年通ってます。

牛田さん:私はコフィノワさんです。お店が同時期にオープンしたこともありますし、コーヒーが好きなので、豆で持ち帰り社内で飲んでいます。ギャラリー青曜さんにも良くしていただいてます。

人気の帽子やイチオシを教えてください。

吉田さん:メンズだったら浅めのイスラム帽とか、あとはベレー帽。難易度は少し高いんですが、ずっと流行ってますね。

牛田さん:素材や大きさによっても結構変わってきます。今はゆったりとしたタイプが多いです。天然素材のパナマハットもお勧めですよ。

有名な芸能人が帽子を被ると、その帽子の売れたりしますか?

吉田さん:昔はありましたね。今は洋服のシルエットの影響があると思います。先に洋服があって、それから、帽子どうしよう?ってあとから付いてくるものなので、洋服の流行で変わりますね。今は80年代のゆったりしたシルエットの洋服が多いので、それに合わせると帽子はキャップやキャスケット、ベレー帽ですね。

帽子は何個くらい所有されていますか?

牛田さん:私は20数個くらいです。

吉田さん:どれくらいだろう…。キャップも山ほどありましたが何回かまとめて捨てて、今は20個くらいかな。作るので増えていきますし、古いのは今っぽい形に変えたりして被ってます。

牛田さん:私も手持ちの帽子を加工します。やってみるんですが、「フッ、ほら、貸してみろ!」って、ダメだしをされます(笑)


お二人のお話からは、帽子や職人さん達に対する強い想いを感じました。
店内には、一緒にお出掛けしたくなる素敵な帽子がたくさん!ぜひお店に伺ってみてください。
いろいろな帽子が取り揃えられているので、きっとお気に入りの帽子と出会えると思います。
これからの季節に、さらっと被ってお出掛けしてみませんか?

 

Circle

住所: 東京都台東区蔵前3-10-5 蔵前ESビル1F
電話: 03-5809-2501
営業時間: 10時~19時  不定休
WEB SHOP:https://circlehat.thebase.in//info/
instagram:http://instagram.com/circle_hat
ブログ:https://ameblo.jp/circlehat
Facebook:https://www.facebook.com/hat.circle/
Twitter:https://twitter.com/Circle_hat

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